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ヘボット!

YouTubeで50日間に渡り1日1話配信が行われていた「ヘボット!」というアニメを見ました。
放送は2017年で、当時一応「ヘボットというやべーアニメが放送されているようだ」ということは知っていたのですが、見てはいなかったんですよね。それがこの夏YouTubeで配信されることになったと知り見るに至りました。
実際見てみたところ、噂に違わずやべーアニメでしたね……。ここでいう「やべー」はいろんな意味の「やべー」です。本当にとんでもないですよ。1話はYouTubeに常設であるみたいなので、とりあえず1話を見てみてほしいです。だいぶテンション高めのハイスピードギャグアニメなのですが、実は全ての要素に意味があるんですよ……。1話のアバンで入る「多分すっげー先の話」も後々ちゃんと回収されます。まぁ1話と2話はあれなので見るなら3話から見ろって公式が言ってるくらいではあるんですけど(笑)。
 
そんな「ヘボット!」ですが、主人公はねじが島王国の王子ネジル・ネジールです。11歳の誕生日にネジ魂に導かれて運命のボキャボットであるヘボットと出会います。
「ボキャボット」はロボットのような生命体で、頭にネジを挿すことでギャグを繰り出すことができます。そのギャグの面白さで競う「ボキャバトル」がねじが島では行われているわけです。
王位継承者であるネジルは国王の座を懸けて国王とボキャバトルをしますが敗北。城を追い出されたネジルとヘボットはネジのことを知るためにネジ屋を開業。さまざまな人の問題を解決したりしなかったりしていきます。
 
……こう書くとなんだか熱いバトルもののようにもお悩み解決人情ものにも見えるんですけどね……。その要素がないとは言いませんが、実は結構SF色も強いです。オタクは好きなやつだと思います。少なくとも私は好きです。
なんというか伏線のばら撒き方が上手いんですよね……。伏線とはいいますが線というより点という印象です。ハイテンポギャグでわざと視聴者の意識をずらして伏線を伏線として認識させないようにしているのですが、でもたしかに伏線となる要素は描かれているんですよね……。すごいですよ本当。手腕に脱帽です。
 
構成の上手さもさることながら、ちゃんと子どもや視聴者に向けたメッセージ性があるのもよかったです。
個人的にはパチボット回の「みんなそれぞれにきみだけの相棒のヘボットがいるよ」っていう話をしてくれたのが好きです(よく考えると後々への伏線な気もしますが……)。お店で売っているヘボットもヘボットで、きみが手にすればきみだけの相棒になるんだよというメッセージをこのアニメを見ている子どもたちに向けて伝えてくれたのがいいなあと思いました。
あと最終回で「終わる物語」に対する「未来」の話をしてくれたのにとても救われましたね……。終わるんじゃないんですよ。視聴者が彼らのエピソードを思い思いに想像すれば、彼らはいつでもその世界に行けるんです。未来へ連れていくことができるんです。こんなに終わりが寂しくない最終回は初めてですよ。ヘボットらしい前向きな明るいラストだなと思いました。アリガ・ットウ!!
 
 
と、ここまでは大まかな感想でしたが、追記からはネタバレ全開でストーリー感想を書きたいと思います。
 

 
いや〜〜〜とんでもねぇアニメでしたねぇ!!!
 
先にも書きましたが伏線をばら撒くのがマジで上手い。ネジ拳回で、今まで見てきたネジルが全て別のネジルかもしれないということに気づいたときは鳥肌でしたね……。怖すぎませんかこのアニメ?ただのギャグだと思っていたアバンの小ネタすらも伏線だったこともあったんですよね。怖すぎませんかこのアニメ?(怖くたってイインダヨ〜)
ていうか今まで無秩序に無意味に登場していた脇役たちが全て星々の者のアバターや子孫だったり果ては他の階層のネジルやヘボットだったのには驚きですよね……。完全にギャグか一発限りのキャラだと思ってましたもんね……モエナイちゃんとか……。
ただ驚きはしましたが意外ではない辺りに作りの上手さを感じました。今までにちゃんとその要素が描かれているので、「なんでそうなった???」という感じはあまりしなかったというか。「あのときのあれはそういうことだったのか!」と納得できるのはその根拠に足るものが描かれているからですよね。無秩序に見えて実は作りは丁寧な辺りがニクいと思います。
 
そんな驚きに溢れた作品ではありますが、個人的には優しさにも溢れた作品だったなと感じています。みんな優しいんですよね。星々の者とか、地球に介入してネジルたちと関わっていく内に情が湧いて、なんとか地球丸ごと消さずに済む道を探そうとするんですよ。たとえそれで自分たちも全てを失うことになろうともそれでもネジルとヘボットに託そうと決めたんですよね。星々の者って最初はどんな立場の人たちかわからないじゃないですか。でも実はすごく優しい人たちなんだなとわかって好きになりました。
 
優しいといえばネジル一家もそうですね。この家族って本当はすごくちぐはぐなんですよ。ネジルは人間ではないし、ナグリも星々の者ですし。チギルの存在が今までの周回にいなかったということはこの家族ができたのってこの周回が初めてになるはずなんです。それでも家族になろうとして、家族であろうとした人たちなんですよね。国王やチギルがネジルのためにネジルと同じ眉やアホ毛をつけるのも全て愛じゃないですか。その愛のために苦しむことになろうとも傷つくことになろうとも、それでも愛を持つことはやめなかった。優しさと愛に包まれた家族がそこにありました。
 
みんなの優しさが特に現れていたのは49話ですよね。終盤のアツさと優しさには本当に心打たれました。まさかあんな金玉の歌で泣かされるとは思いませんでしたよ。一生の不覚とはまさにこのことでしょう(笑)。不覚ではありましたがとても好きなシーンです。その後のネジルたちも好きです。みんなネジルを信じて託していったわけだし、ネジルも託されたものを繋げることができたんですよね。
  
 
そして先ほども触れた最終回の話はもう一度させてください。
49話で終わらせる者との戦いは終わり、最終回は回避されました。本来なら49話で終わるはずだった世界がその先に進めたのが50話なんです。けれどその50話も最終話。ずっと繰り返してきたにちようびのせかいも終わり。でもそれは新たな旅立ちであるとこのアニメは伝えてくれるんですね。
 
「なーに。日曜日以外の世界に進めるようになるんだ」
「そう思えば楽しみペケ!」
「どういうこと?」
「このアニメを見た人たちが思い思いのエピソードを考えてくれればいいペケ」
「その世界へワイたちはいつでも行ける」
(ヘボット!50話より引用)
セリフが好きすぎるので備忘録も兼ねて引用させていただきました。
 
視聴者である我々が彼らのお話を思い思いに想像すれば彼らはそこへ行けるんですね。最終回が来てアニメが終わってもそれは終わりじゃないんです。監督の方がツイッターで呟かれていましたが「解放と旅立ち」でもあるんですね。私たちが彼らを未来へ連れて行くことができるんですよ……。
そう考えると物語の終わりって悲しいものではないんですね。一つの物語である以上全ての作品には終わりが必ずあると思うのですが、それは新たな始まりでもあるのかもしれない。そう思わせてくれる明るく希望に満ちた前向きなラストでした。とても「ヘボット!」らしいですね。
 
 
49話を見た時点でこれはもう一度1話から見直さないといけないなぁと思ったのですが、なんとブレーレイボックスの予約が始まっているようです。受注販売になる関係で予約数が目標値に達した場合のみの販売になるそうですね。早速予約したので無事に発売されるといいなぁと思います。と言いつつ実はブレーレイプレイヤーを持っていないので(笑)、家に届くまでにはそちらも用意しておかないとですね。

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