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おやすみプンプン

マンガワンでちまちま読んでたんですけど、愛子ちゃんがあれした辺りからノンストップで読み切ってしまいました。
 
「おやすみプンプン」はどこにでもいる普通の男の子・プンプン(名前)の小学生時代〜青年時代までが描かれている漫画です。鳩サブレとも言われるプンプンの外見が特徴ですね。
序盤はその外見や語り口も相まって若干シュールな日常漫画?のような感じなのですが、それが段々と崩れていくのにぞわぞわします。
正直人に勧めようとは思わないですね……。所謂「人を選ぶ」ってやつというか。最終話を読むと、あぁただ普通の平凡などこにでもある話だったのだろうなぁと思いますが。他人がどんな人生を送ってどんな苦しみを負っているかなんてわからないですし。
ちなみに最後は作者曰くプンプンにとってイヤで惨めなトゥルーエンドだそうですね(インタビュー記事より)。割と最初からこういう終わりを決めていたらしいからぞっとする。すごいな。
 
これもネタバレ見ないで読んだ方がいい漫画だと思うので以下はたたんでおきます。ノンストップで読んだ終盤の話をバンバンしたい。

 
 
そんなわけで愛子ちゃんが首を吊った辺りからノンストップで読んだわけなんですけども。
正直心中するか何かして二人共死んで終わるのかと思っていた(種子島の辺りはやっぱりな〜って思ってた)ので意外といえば意外でした。でも愛子ちゃんに殺されたかったプンプンが、殺してくれる愛子ちゃんを失ったことで幸せの中で穏やかに生きていくことになるのだと思うとやっぱり「プンプンにとってイヤで惨めなトゥルーエンド」なんでしょうね。最終回で出てきたハルミンによって「誰からも忘れられたい」という願いすら叶わないんですから。
その一方で自分は愛子ちゃんを忘れていくのが切ないですね。夢の中の愛子ちゃんがかわいくて美しくて、それがまた……。関くんと清水くんの二人がプンプンと愛子ちゃんとの対比になってると思うんですけど、関くんは目の前にいる清水くんに忘れられてしまうんですよね。ここにいない君を忘れていくのがプンプンと愛子ちゃんで、目の前にいる君が僕を忘れてしまうのが関くんと清水くんなんですよ。どちらがマシなのかと言われるとそれは人によるというかなんというか。他人の苦しみも幸せも人生も、第三者からは結局わからないというのがこの二組の対比にも現れているなと思います。
 
多分子供のときは本当に天の川を見れていたと思うんですけどね。だから愛子ちゃんのプンプンと両思いになりたいって願いは叶った。でも大人になっての逃避行中は天の川を見れなかったから、プンプンが自分を忘れませんようにって願いは叶わない。プンプンももう愛子ちゃんの願いは叶わないこと、織姫とは会えないことがわかったんでしょうね。
 
あとは幸さんの話は外せませんね。神様を殺したプンプンの元に現れたときは泣きました。流星がまたきれいでなぁ……。
愛も神も失ったプンプンの前に現れるのが幸なんですねぇ……。成長するってそういうことなのかもしれない。初恋と自意識を失って大人になれる、みたいな?
というか、ここまでの語り手が幸さんで、この漫画は幸さんが描いたプンプンの漫画だったんだっていうのがわかってうわーってなりました。うわーっ。そういうの……好きやで……。しかもこうして幸さんが漫画として残したせいで、プンプンは余計に人から忘れられなくなるのだからうわーってなります。
プンプンがあくまで「友だち」として幸さんを紹介するのが、この二人らしいなぁと思います。きっとこの二人はこれからもそういう関係で、それはきっと恋とか愛ではないんだろうけど、確かに幸せなんだろうな。
 
と、そんなわけで最終回まで読み終わったわけなのですが、いやーすごい漫画でしたね。すごい漫画でした。やべーな。でもやっぱり人に勧める気は起きないですね(笑)。自分でももう一度読もうという気が起きません……。5年後ぐらいになら読みたい。そんな感じです。
 
 
 
ちなみに、「あの夏が飽和する」ってボカロ曲があるんですけど、これがプンプンと愛子ちゃんの曲にしか聞こえなくなりました……(笑)。細かい状況は若干違うんですけど、夏が舞台でそういうストーリーだとどうしても……。

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