救世主の物語
私はもう死んだものだと思っていたんですよ。いや死んでいたらブログ更新してないですけどあきのさんの話ではなく。救世主であるプレイヤーのことです。
TOLinkの主人公は救世主と呼ばれるあなた(プレイヤー)自身なわけですが、途中で「実はあなたはかつて"アレン"という名前で地上に降りた御使いであった」ことが判明するんですよね。"アレン"は偽名で本当の名前が"プレイヤー名"だと。
私は別に本当に自分のことを救世主だとは思っていませんでしたし、救世主のことは自分というより「救世主」だなと思って見ていました。だからここで「救世主」の知らない遥か昔の物語の話をされても戸惑いはしなかった。むしろここのギミックにはしてやられたなと膝を打ったものです。
それで、2部までは私だなぁとほどほどに思いながら見ていたのですが、3部からは私でもありアレンでもあるという微妙な感じになりました。どちらでもありどちらでもないというか。名前をプレイヤー名のままで進めていたのもあると思うんですけど。
でもアレンとしての個が確立していくにつれて、救世主はますます私ではなくなっていくんですよね。ただすごく巧く作ってあるので気持ちの上でアレンと離れることはそんなになかったなと思います。本当に巧い。2章でサラちゃんの視力が奪われたときはアレンさんと同じように「あの野郎絶対ぶっ倒してやるぜ!!」みたいな気持ちでしたよ(アレンさんはこんなに口悪くない)。巧く作ってあるおかけで気持ちが離れることはなかった(「いやいやいやここでそう考えてそう動くのはねーだろ」っていうのはなかった)けど、でも確実に私の存在は薄れていくのを感じていました。影が薄くなるっていうか。亡霊みたいになったなとなんとなく思っていました。
そんなことを思いながら最終章までクリアし、最後のシナリオとなるであろうイベント「ここから始まる、新たな冒険」をクリアしました。
私は死んでなかったんだなって思いました。
やっぱり作りが巧いんですよ。スマホ(スーパーマジックホーリーアイテム)の操作がスマホ(スマートフォン)の操作とリンクしたとき、私は確実に救世主のアレンだったんですよ。そこで「私は死んでなんかいなかったんだな」って思いました。ちゃんと"みんな"の中に私もいた。ずっと一緒に冒険してきていたんです。ゲーム上のスマホ(スマートフォン)の操作性(タッチリンクバトルシステム)をストーリーと上手く繋げていたTOLinkだけあって、本当に最後まで操作性とシナリオをリンクさせてくれたんですよね。何度も言うけど本当に巧い。しかもこのイベント、普段は救世主のことを「アレン」と呼ぶゼファーもカナも救世主の名前を呼んでいないんですよ。サラちゃんだけが呼んでくれるんです。巧いよな〜〜……!最後まで「してやられたな」感のあるTOLink大好きよ。
シナリオラストの救世主のコメントは救世主からみんなに向けたコメントとも、アレンから私に向けたコメントともとれるのかもしれませんね。
私が救世主で救世主はアレンで、というのをちゃんとすり合わせてくれて嬉しかったです。亡霊のまま消えずに済みました。TOLinkは最後まで「"全て"を救う、救世主──"あなた"の、物語」でした。
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