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久遠の影刃

そろそろ第一陣には届いた頃かなと思うので、「久遠の影刃」のあとがきをブログの方でも書こうかと思います。ペーパーで宣言しちゃったし。
ちなみにあのペーパーは「本との温度差で風邪引くわ!!」ってめっちゃ怒られそうだなって思いながら描きました(笑)。本当は2コマ目の絵だけ描く予定だった(それはそれでどうかと思う)んですけど、気がついたら4コマになってましたははは。通販限定ペーパーのつもりなので入手してくださった方はありがとうございます!
 
それはさておき本の中身について。
 

基本的には 久遠の中の影刃 が元になっています。タイトルもそこからですね。シーザさんも久遠の一部であったなら、救世主達との戦いの後リリウムの元に駆けつける流れも毎回同じだったのではないかなと。本の方では更にそこに「シーザにも"予感"が届いていたのではないか」というのも含めています。「この風景に見覚えがある」というセリフが(原作で)あるのですが、このセリフを口にするのはサラと戦って正気を取り戻した直後なんですよ。戦闘の後、自分を見つめるサラ達の姿。それに"見覚え"があるのだとすれば、それは"久遠の中の"記憶なんですよね。その記憶が朧げにでもあるのならそれはもちろんカナの"祈り"が届いていたからなんだろうなと思います。
リリウムとサラ達との関係を一度聞いてはいるのに「この男とサラ達がどんな関係なのか詳しいことはわからない」と(本の中で)言っているのは、サラ達が自分に語ったことが彼らの関係の全てではないだろうとなんとなく感じているからです。それが何か自分にはわからないしきっとサラ達もそれ以上は語ってくれないのだろうけど、彼らの関係性にはもっと深い何かがあると(自分が受け取った"予感"も相まって)そう思うのではないかなと考えました。だからこそサラ達にはゼファーが必要で、ゼファーをサラ達に"繋ぐ"ことが今自分にできることだろうと感じてくれるのではないかと。
そうして彼らを助け、"みんな"の姿を見たシーザが、ゼファーと語り合って出した答えが「あんた達の隣に立つことができたら」なんですよ。自分がサラ達にゼファーを"繋いだ"ことで得られた景色。そこでは大切な妹が笑っていて、自分と同じ痛みを抱えたゼファーも大切な者と共に笑っている。それがシーザにとっての守りたい景色なんだと思います。そしてできれば自分もその景色の中に身を置きたいと。今はまだ痛みが強いから無理だけれど、いつかは必ず。そんな約束を込めてシーザはゼファーと握手をするんですよね。
シーザとゼファーが語り合うシーンはとても描きたかったところなのですが、ゼファーの「生きててくれてよかった」は、自分もシーザと一緒にこの先の景色を見ていきたいからなんですよ。それはシーザの願いでもあるので、ゼファーがシーザの願いに対して答えた形になります。全てを失ったシーザがその後どんな風に生きたのかゼファーは知っているんですけども、本の中には入れられませんでしたすみません……。先程上げた記事の方には書いてあるんですけど、なんだかんだ最終的にはちゃんと生きていけるんですよ。そういう男だと私は思っている。でもそうしてシーザがちゃんと生きていけたのだとしても、そのときは一人だったわけじゃないですか。だから今度こそ一人じゃなくみんなと一緒に生きていってくれたらいいなとゼファーは(勝手ながらも)そう思うんですよね。彼も優しいから。
本の最後で歩き出すシーザは一人ですが、その表情は晴れやか(に見えるかな)なんですよね。一人だけどその道がみんなの元に繋がっていると知っているから。いつか道が交わって、同じ景色にシーザさんが立っているところが見たいです。
 
内容についてはざっとそんなところでしょうか。
通販のサンプルは冒頭の3ページを出したんですけど、実際読んだときにサンプルで見たページの後がこれなので「またお前はそういうことを」と怒られそうだなって思いました(?)。正直6ページ目のお兄ちゃんの顔はめちゃめちゃ良く描けたと思ってるので見てください(笑)。描くのめちゃめちゃ楽しかったですうふふ。
あと小ネタとしては、一回目の方のリッピちゃんが救世主に抱えられているのに二回目では自分で飛んでいるのは戦っていなくて体力が残ってるから、っていう裏話がありました。別に気づかなくてもいいのですが、気づいた方がいたらすごい。何も出ないけど(笑)。
お兄ちゃん本といいつつ結果的にメインキャラが概ね出てきたのは驚きでした(?)。いや……そこに関してはそうしようと思ったわけではないので……。なんか……気づいたらフェイルさん以外は一コマ以上登場してましたね……。こうなったらペーパーをフェイルさんにしてやろうかと思いましたよ(やめた)。幹部組のコマがお気に入りです。
 
このあとがきで本を読むのが更に楽しく……なるかどうかはわかりませんが(笑)、本とも合わせて読んで頂けたら嬉しいです。また何か本作りたいな〜。

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