幸せを願えない
ゼファーさんの幸せについて考えていたらなんか泣けてきたんですけど……。彼の人生で幸せだったことってなさそうじゃないですか?いやそれは私が決めることではないのだけど、とにかくいろいろあったじゃないですか。何億年単位で。カナたちと出会う前にあった幸せも、カナたちと出会ってからの幸せもそれで吹き飛んでそうな感じがするんですよ(そもそも天界の兵士である御使い個人に幸せとかいう概念はあるんだろうか……)。
で、しかもその何億年を乗り越えて、"救世主の祈り"によって手に入れた今生の残りでも彼は幸せにはなれないじゃないですか。"みんな"といることが幸せなのだろうとは思いますが、その幸せは"痛み"を伴うんですよ。痛みを伴う幸せのことを純粋な幸せとは呼び難い(どんな幸せにも苦しみは伴うとかそういう考えもできるけどとりあえず置いておきます)。
今までも(瞬間瞬間の幸せはあれど)幸せではなかったのにこれからも彼は幸せになれないんですよ。そんなことってあります?辛い……と言いたいところだけど今後幸せになれないのは彼自身の行いのせいなのでどうしようもない。私が辛いと言うことはできない。ついでにゼファーに幸せになってほしいと言うこともできない。何よりゼファー自身が幸せを受け入れられないですよ。「受け入れられない」というより「受け入れない」かもしれないですけど。今生の残りは自分が幸せになるために与えられた時間ではないじゃないですか。むしろ他人を幸せにするための時間です。自分に対しては償いをする時間。それでも、他人を幸せにすることも償うこともこの時間の中ではやりきることができない。
なんか……もう……なんなんですか……。私には彼の幸せを願うこともできないんですよ……。振られた彼氏の幸せを願う女の恋バナみたいになってきちゃったじゃないですか……。なんなんですか……。だってもう何にもできないですよ私。同情することも幸せを願うこともできない。強いていうなら生きてほしいと思いますね。与えられた時間を"みんな"と共に最後までちゃんと生きてほしい。もう……それだけです……。
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