螺旋と円環
TOLinkはいわゆるループモノではなく転生モノだと思っているのですが、でもそれもなんだかちょっと微妙な部分を感じます。いや転生モノであること自体が微妙なのではなく、割とループ要素が強いよなって話です。
単純に人間が転生しているだけであるのなら、その世界の土地や国、歴史などは一定の時間軸で進んでいくものだと思うんですよね。一定の時間軸という言葉だとなんだかわかりづらいのですが(上手い言葉が見つからなくてすまない)、時間自体は一方向、前に流れていっているはずという意味です。時間は淀みなく先にひたすら進んでいっていて、そこに転生を繰り返す人間が出てくるというのが転生モノのイメージですね。繰り返しているのはあくまで人間のみで、時代は確実に変化している、というか。
ただTOLink、というかリアフィースにおいては土地や国も同じものが毎度生まれているようなんですね。これはガイアス率いるカイゼル国の話がわかりやすいんですけど、アレンサラリッピがニーズヘッグのアジトに乗り込むときは必ずこのカイゼル軍と一緒だったと言っているんですよ。カイゼルという国は毎度毎度存在していて、いつも国王はガイアスで、そしてアレンたちを呼び出して共にニーズヘッグのアジトに乗り込んでるんです。これは時間が一方向に流れていないことの現れだと思うんですよね。さっきも言いましたが転生モノというと(そもそも転生モノの定義をちゃんとしなければいけない気はするけど)、時間は一方向に流れていてその時の流れの上で人間が転生を繰り返すって感じだと思うんですよ。テイルズで転生モノといえばTOIでしょうか。前世で滅びた天上はルカたちが転生したところで復活しないんですよ。でもTOLinkではアレンたちが転生する度にカイゼルが興っているんですよね。
ちょっと不思議じゃないですか?昔カイゼルやサイランという名前の国があったとして、後世の人間が全く同じ名前の国を作るのかって話ですよ。いや一国二国なら、かつてあったカイゼルという国に憧れて同じ国を作ろうとするとかあるかもしれませんが、多分世界全土がかつてと同じ様相を呈しているわけですよ。全く国が滅びずにずっと本当に同じ国って可能性もありますけど。いや〜、でも……不思議……ですよね……?
まぁ再び同じ魂が生まれるまでに何千年何万年とかかるようなのでかつてどのような世界だったかという情報が残っていないという可能性はありますけどね。あとそもそも土地や国にも魂が存在するとしたら、それらの魂も流転するわけなので久遠の時を経て同じように存在するのかもしれないですね。
そういうわけなので転生モノにしてはループ要素が強いんじゃないかという感じがするわけですよ。
じゃあそこまでいうならもう転生モノではなくループモノなのではという気もするじゃないですか。でもループモノかといわれたらそれもなんだか違う気がするんですよね。「少しずつ上に登っていく"螺旋"」なので。"螺旋"なんですよ。螺旋はぐるぐると回りますが同じところは通らないんですよ。全く同じところをぐるぐる回り続けるのなら"円環"なんです。少しずつ上に、先に進んでいくからカナの祈りも蓄積されていくわけで。同じところしか通っていなかったら祈りの量(量っていうとなんか変だけど)は増えるはずないんですよ。少しずつ先に進んでいるから祈りの量が増えたんですよ。
……と思うので転生モノというにはループ要素が強く、でもループモノといえるほど完全に同じ道を辿ってはいないって感じなんですよね。ふーむ、なんだか新境地を見たような気がします(?)。
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